「モモ」が教えてくれること 〜時間について〜
本を読むことが大好きです。セネガルに来てからは主にKindleで読んでいます。
今年最初の一冊は、ミヒャエル・エンデの「モモ」にしました。
子どもの頃からずっと気になっていたけど、なぜか今まで読んでなかった本。
主人公の少女モモが「灰色の男たち」に奪われた時間を取り戻すために頑張るお話⏳
時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心を住みかとしているのです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。
(本文より)
セネガルで生活していると、時間の流れや使い方が日本とは全く異なっているなと感じる瞬間がよくあります。
例えば、夕方、アタヤを飲みながら木陰で談笑する時間🍃
アタヤとは、セネガルの伝統的な甘いお茶のこと。炭を使ってじっくりと淹れるので、一杯目のアタヤが飲めるまでには一時間近くかかります。さらに、二杯目、三杯目、と淹れるとなるともっともっと時間がかかります。その間、セネガル人はゆったりと座って楽しくおしゃべりしています。
日本では感じることのない、のんびりとした時間の流れです。日本人の私は、なかなか三杯目のアタヤまで待っていられず途中で帰ってしまいますが(笑)、何もせずのんびり過ごす時間も悪くはないのかなーと感じます。
アタヤ☕︎
また、首都や他の任地から遠い市に住んでいる私。長距離移動をする際に、いつも時間について考えます。
私の住むタンバクンダ市から首都ダカールまでは、約467km。日本でいうと東京〜神戸が約430kmらしいので、だいたいそんな感じですかね。新幹線のぞみなら3時間ほど🚅
セネガルで長距離移動をする際には、セットプラスという乗り物が一般的に使われます。セットプラスとは、7席という意味。その名の通り、7人乗りの長距離タクシーです🚕
セットプラスでタンバクンダからダカールへ行くには、順調にいって約8時間。休憩が長かったり、セットプラスがボロくてスピードが出なかったりすると9時間半くらい。ちなみに途中の休憩は、運転手さん次第なので、1分しかなかったり15分くらいあったりします🤭
しかも!!セットプラスは、乗りたい人が7人揃うまで発車しません。なので、ガラージュと呼ばれるセットプラス乗り場で30分〜2時間ほど待たなくてはいけません。
それも含めると、首都に着くまで9時間〜11時間ほどかかってしまいます。東京〜神戸の3時間とは大違い。
そんな時間あったら、日本ならどれだけの距離移動できるんだろう、、、
荷物いっぱいのセットプラス🧳
壊れちゃって途中の街で修理🛠
車内の様子。この狭さ、伝わります??
時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかってみたところであまり意味はありません。というのは、だれでも知っているとおり、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ほんの一瞬と思えることもあるからです。(本文より)
・
・
ほんとうの時間というものは、時計やカレンダーではかれるものではないのです。(本文より)
フランス語も現地語も全然聞き取れなくて、まったくわからない会議に座っている時間は異常に長く感じたり。
久しぶりに同期とあって、気づいたら明け方まで話し込んでいたり。
時間の感じ方って、本当に気持ち次第。
人間はじぶんの時間をどうするかは、じぶんできめなくてはならないからだよ。だから時間をぬすまれないように守ることだって、じぶんでやらなくてはいけない。(本文より)
青年海外協力隊としてセネガルにいられる2年間。すでにその半年以上が過ぎました。残りの時間をどう使うかは、しっかりと自分で決めないといけない。だれかにぬすまれないようにね。
なんで今まで読んでなかったんだろーと思っていたけど、セネガルにいる今だからこそ読んでよかったな✨